「どうせ株を買うなら、家族で得したい」
「外食やレジャーがちょっとでも安くなったらうれしい」
そんなパパが気になりやすいのが、株主優待です。
ただ、投資には当然リスクもあります。
この記事ではパパ向けに
・株主優待ってそもそも何か
・子どもがいる家庭と相性のいい優待ジャンルと具体銘柄例
・優待銘柄を選ぶときのチェックポイント
・教育資金づくり全体の中での優待投資の位置づけ
をまとめていきます。
株主優待って何?パパが最初に押さえておきたいこと
株主優待は、その会社の株を一定数以上持っている株主に対して
・自社グループ店舗で使える金券、割引券
・自社商品の詰め合わせ
・テーマパークやレジャー施設のチケット
・ポイントやギフトカード
などをプレゼントする制度です。
ここで最初に押さえておきたいのは
・優待はあくまで「オマケ」で、本体は株式投資そのもの
・株価が下がれば、優待でもらった額以上に損をすることも普通にある
・優待内容は会社の事情で変更・廃止される可能性がある
という点です。
「お得そうだから」という理由だけで飛びつくのではなく
・その会社を応援したいと思えるか
・自分たちの生活圏で本当に使える優待か
・教育資金や老後資金など、家計全体のバランスを崩さないか
をセットで考えていくことが大事です。
子育て家庭と相性のいい優待ジャンルと具体的な銘柄例
ここからは、未就学〜小学生くらいの子どもがいる家庭をイメージしながら
・外食
・レジャー、写真スタジオ
・本・おもちゃ
・日用品、ドラッグストア・スーパー
といったジャンル別に、実際の銘柄例を紹介していきます。
(必ず最新条件を各社のIR・公式サイトで確認してください)
外食・ファミレス・ファストフード系
週末の外食や、お出かけの時のごはん代を軽くしてくれるジャンルです。
すかいらーくホールディングス(3197)
・ガスト、バーミヤン、ジョナサンなどを展開
・100株以上で、グループ各店で使える株主優待券(電子チケット)が年2回もらえる制度があります。保有株数に応じて金額が増えます。
外食の一部を優待でまかなえる、かなり出番の多いタイプの優待です。
日本マクドナルドホールディングス(2702)
・100株以上の保有で、バーガー類、サイドメニュー、ドリンクがそれぞれ無料になる引換券がセットになった優待食事券を年2回もらえる仕組みです。保有株数が増えると冊数も増えます。
ドライブスルーや休日ランチなど、子連れで使いやすい場面が多いのが特徴です。
レジャー・テーマパーク・映画館系
家族の思い出づくりに直結しやすいジャンルです。
イオン(8267)
・イオンの株を100株以上保有すると、イオンオーナーズカードという株主カードが発行される制度があります。
主な特典イメージは
・イオンなどグループ店舗での買い物について、持ち株数に応じたキャッシュバック(半期ごとに、一定金額までが対象)
・イオンシネマで株主優待料金が適用される施策(時期や条件は要確認)
などです。
「普段のスーパーがイオン」「イオンモールやイオンシネマによく行く」という家庭であれば、日々の生活とレジャーの両方で恩恵を感じやすい銘柄です。
オリエンタルランド(4661)
東京ディズニーランド・東京ディズニーシーを運営する会社です。
株主優待として、パークで使える株主用パスポートが配布される制度があります。
・基本制度では、500株以上の保有から、所有株数に応じて1デーパスポートが年1枚〜複数枚もらえる仕組みです。
・さらに、100株以上を3年以上継続保有している株主向けに、年1枚の長期保有優待パスポートを追加で配布する制度があります。
・2025年については、創立65周年記念として、2025年9月末に100株以上保有している株主に対し、通常の優待とは別に1デーパスポートを1枚追加配布する特別優待もありました。
注意点としては
・通常優待のパスポートを1枚もらうためでも、500株以上の保有が必要(株価水準的に、数十万円〜百万円単位の投資になることが多い)
・チケットには有効期限があり、予約制などの利用条件もある
といった点があります。
「ディズニーは毎年必ず行く」「家族の大きな楽しみとして予算を組んでいる」という家庭にとっては、「パーク代の一部を優待で補う」という発想で検討するイメージです。
写真スタジオ系(七五三・記念写真)
子育て家庭ならではの支出として、記念写真があります。ここで役立ちやすいのがスタジオの優待です。
スタジオアリス(2305)
こども写真館の大手、スタジオアリスを展開している会社です。
株主優待として、店舗で使える株主写真撮影券が年1回もらえます。
・100株以上保有で写真撮影券1枚
・500株以上で2枚、1000株以上で3枚、1万株以上で10枚と、保有株数に応じて枚数が増える仕組みです。
この撮影券1枚で
・撮影料が無料になる
・四切サイズの写真やフレーム付き写真など、指定された商品の中から1点を無料で選べる
といった内容になっています(詳しい内容はその時点の案内を要確認)。
パパ目線の使いどころ
・七五三やハーフバースデー、1歳のバースデーフォト
・入園入学の記念写真
・きょうだいが増えたタイミングの家族写真
など、「どうせ撮りに行く」イベントで活用すると、家計的なメリットが大きくなります。
スタジオアリスはショッピングモール内の店舗も多く、車で行きやすい立地が多いのも子連れ家庭にはありがたいポイントです。
本・おもちゃ・知育いろいろ
絵本や図鑑、おもちゃなど、教育寄りの支出と相性がいい優待です。
タカラトミー(7867)
トミカ、プラレール、リカちゃんなどでおなじみの玩具メーカーです。子育て家庭との相性はかなり良い部類に入ります。
株主優待は大きく2種類あります。
1 株主限定オリジナルトミカ・リカちゃんの贈呈(年1回)
・権利確定は3月末時点の株主
・100株以上500株未満:オリジナルトミカ2台セット
・500株以上1000株未満:オリジナルトミカ4台セット
・1000株以上:オリジナルトミカ4台セット+オリジナルリカちゃん
といった区分で、毎年その年だけのデザインのトミカや限定リカちゃんが送られてきます。
・市販されない非売品で、トミカ・リカちゃん好きの子どもには特別感がある
・将来、子どもに「これはパパが株を持ってる会社から届いたんだよ」と話しやすい
という意味でも、ワクワク感の強い優待です。
2 タカラトミーモールでのお買い物割引(年2回)
・権利確定は3月末と9月末
・100株以上保有で、公式通販サイト「タカラトミーモール」でのお買い物が割引になります
割引率は保有期間によって変わり、
・保有1年未満:10%オフ
・1年以上3年未満:30%オフ
・3年以上継続保有:40%オフ
という区分が公表されています(各期間10万円までなど利用上限あり)。
パパ目線での使いどころ
・誕生日やクリスマスのプレゼントを、タカラトミーモールで少し安く買う
・プラレールやトミカ、リカちゃんなど、大型セットやレール拡張パーツを揃えるときに活用
・きょうだい分のクリスマスプレゼントをまとめて注文
など、「どうせ買うタカラトミーの商品」をお得に買う用途と相性が良い優待です。
「トミカやプラレールにどっぷりハマりそう」な家庭には、候補に入れておいてもいい1社です。
ブックオフグループホールディングス(9278)
・中古書店チェーン「ブックオフ」を展開
・株主優待として、グループ店舗で使えるお買い物券や、買取金額アップのクーポンなどがもらえる制度があります。
絵本や児童書、マンガ、ゲームソフトなど「中古で十分」というものが多い家庭には、実用度が高い優待です。
バンダイナムコホールディングス(7832)
・人気キャラクターやゲームを多数展開
・株主優待として、ポイント制の株主優待ポイントが付与され、それをこども商品券や自社商品との交換などに使える仕組みがあります。
キャラクター玩具やアミューズメント施設をよく利用する家庭に向いています。
日用品・ドラッグストア・スーパー系
「レジャーよりも日々の支出を軽くしたい」家庭と相性がよいジャンルです。
ウエルシアホールディングス(3141)
ドラッグストア「ウエルシア」などを展開する企業です。
株主優待として
・グループ店舗で使える買い物割引券
・ポイントやギフトなど
いくつか選択肢のある優待が用意されています。100株で3,000円相当から選べる形が案内されています(保有株数に応じて増額)。
オムツ、ミルク、おしりふき、子ども用の保湿剤など、ドラッグストアで買うものが多い家庭には、かなり実用性の高い優待です。
マツキヨココカラ&カンパニー
マツモトキヨシやココカラファインなどを傘下に持つ企業です。
株主優待として
・自社グループ店舗などで使える「マツキヨココカラポイント」
・そのポイント相当額の寄付
のどちらかを選べる制度が用意されています。
100株以上で年2回ポイントがもらえる仕組みで、株数に応じて2,000〜5,000ポイントなどの区分が公開されています。
イオン(8267)再掲
イオンオーナーズカードによるキャッシュバック特典は、スーパーでの食費・日用品の支出を直接軽くしてくれます。ふだんのメインスーパーがイオンであれば、実感しやすい優待です。
優待銘柄を選ぶときのチェックポイント
銘柄名を見ていると「なんだか全部良さそう」に見えてきますが、ここでいったん冷静に。
チェックしたいのは次のあたりです。
最低投資金額
・何株から優待がもらえるか(100株、500株など)
・その株数を買うのに、現時点でいくら必要か
特にオリエンタルランドのように、優待が魅力でも最低株数が500株からで、金額が大きくなりやすい銘柄もあります。
優待利回りと配当
・年間優待額をざっくりお金に換算した利回り
・配当金の有無と配当利回り
証券会社サイトなどで確認できますが、利回りが高いから安全というわけではありません。
優待の頻度・有効期限・量
・年に何回もらえるのか
・有効期限内に無理なく使い切れる量か
家族構成や生活ペースと合っているかをイメージしておきましょう。
生活圏で本当に使えるか
・自宅や職場、実家の近くに店舗や施設があるか
・車や公共交通機関で行きやすいか
数字上の利回りが良くても、地理的に行きづらいと「絵に描いた餅」になりがちです。
会社自体を応援したいと思えるか
・子どもと一緒によく利用しているか
・今後も応援したいサービスやお店か
長く持ち続ける可能性があるので、「応援したい会社かどうか」も大事な視点です。
教育資金・長期資産づくりの中での優待投資の位置づけ
パパとして忘れたくないのは、優待投資はあくまで
「長期の資産づくりの中の一部」
だということです。
・つみたてNISAやiDeCo、預金などで土台を作る
・そのうえで、余裕資金の一部を優待銘柄に回す
・1社に偏らず、リスクを取りすぎない範囲で分散する
この順番を意識しておくと、「優待のために家計が苦しくなる」事態を避けやすくなります。
また、子どもが小学生くらいになったら
「このお店の株を持っているから、優待券が届くんだよ」
「会社が利益を出すと、株主に配当や優待でお礼してくれることもあるんだよ」
といった話をしてあげると、自然な形で「お金と世の中の関係」を学ぶきっかけにもなります。
まとめ:優待は「暮らしのどこが楽になるか」で考える
株主優待は、うまく使えば外食やレジャー、日用品の負担を少しだけ軽くしてくれる仕組みです。
一方で、株価が下がれば元本割れのリスクもあるし、優待内容が変わることもあります。
だからこそ、
・まずは家計と長期資産づくり(つみたてNISA・iDeCo・預金など)の土台を優先する
・そのうえで「自分の暮らしのどこが楽になるか」という視点で、優待銘柄を少しだけ組み込んでみる
・余裕資金の範囲で、応援したい会社・実際によく使うサービスを選ぶ
くらいの距離感で付き合うのがちょうどいいはずです。
もし「これから優待投資を少しずつ始めてみたい」「まずは口座だけ作っておきたい」と感じたら、ネット証券で口座を1つ用意しておくと、少額からでも動きやすくなります。
あわせて、株の基礎や優待投資の考え方を一度整理して学んでおくと、焦らずマイペースに続けやすくなります。
「そもそも株ってどうやって始めるの?」「優待投資ってどんな考え方でやればいいの?」というところから学びたい場合は、基礎から教えてくれるセミナーも参考になります。
株式投資を学ぶならファイナンシャルアカデミー
口座と知識の両方を少しずつ整えながら、「うちの暮らしと相性のいい優待はどれか」をイメージしていくところから始めてみてください。
