「取りたい気持ちはある。でも、いつ・誰に・どう言えば角が立たないのか分からない」
パパ育休で一番つまずきやすいのは、制度そのものよりも“社内への出し方”です。
ここでは、会社への伝え方を時系列で整理しつつ、コピペして使えるメール文例もまとめます。
前例が少ない職場でも通しやすいように、話す順番と“論点の置き方”を重視しています。
まず押さえたい前提
「パパ育休」には2種類ある
会社で話すとき、言葉が混ざるとややこしくなります。ざっくりこの2つです。
- 産後パパ育休(出生時育児休業)
出生後8週間以内に取得できる、短期・分割向きの休業 - 育児休業
いわゆる通常の育休(期間を長めに取りたいときの本体)
申出期限の原則は、育児休業は原則1か月前、産後パパ育休は原則2週間前が目安です(会社規程や労使協定で前倒しのケースあり)。
会社に言うベストなタイミング
「早すぎると迷惑そう」「遅いと印象が悪い」になりがちなので、段階を分けるのが安全です。
ステップ0:家の中で先に決める(最優先)
会社に言う前に、最低限ここだけ決めます。
- 取りたい休業の種類(産後パパ育休/育児休業/両方)
- いつから・いつまで(ざっくりでOK)
- 分割したいか(例:産後2週間+1か月後に1週間 など)
- 緊急時の連絡ルール(完全オフにするか、最低限だけ拾うか)
ここが曖昧なまま相談すると、上司側も組み替えができず話が止まりやすいです。
ステップ1:妊娠が分かった〜安定期前後(社内の空気をつかむ)
この時期は「正式申請」ではなく、まず上司に口頭で布石を打つのがコツです。
- 目的:休業そのものより「体制をいつから組み替えるか」を先に共有する
- 言い方:断言ではなく“相談の形”で入る
例)
「来年◯月に出産予定で、育休取得を考えています。業務の引き継ぎを含めて、早めに相談させてください。」
ステップ2:出産予定日の1〜2か月前(実務を動かし始める)
ここでやることは2つだけ。
- 休業期間のたたき台を固めて、上司と合意を作る
- 人事・総務に、必要書類と締切を確認する
締切ギリギリに「書類どれですか?」となると、印象も段取りも一気に崩れます。
ステップ3:期限までに正式申請(メール+書類)
口頭→メール→人事手続き、の順にするとスムーズです。
会社側のリスクは「体制が組めない」こと
育休の話で職場が一番困るのは、「取ること」そのものより、
- いつからいないのか分からない
- どの範囲まで引き継ぐのか分からない
- 連絡できるのかできないのか分からない
この“未確定”が続くことです。
だから、交渉の軸はここに置くのが強いです。
- 私が抜ける前提で、引き継ぎ表を作って整理します
- ここまでは完了させてから休みに入ります
- 休業中の連絡は原則しません(必要なら代替窓口を作ります)
「迷惑をかけない」ではなく、「体制を作れる状態にする」を前に出すと通りやすいです。
注意:育休中に“働きすぎる”と給付に影響することがある
育休(雇用保険の育児休業給付)には、支給単位期間ごとに「就業した日数・時間」が一定以上だと支給されない扱いがあります(目安として10日、または80時間など)。
ここで言いたいのは「働くな」ではなく、会社と自分を守るために線引きを最初から明確にする、ということです。
- 休業中に“少しだけ”対応のつもりが、実質稼働になりやすい
- チャット返信・資料修正・会議参加が積み重なる
- 結果として、制度面でも社内の公平感でも火種になる
だから事前に、上司にこう言えると強いです。
「休業中は就業扱いにならないよう、連絡は原則オフにします。緊急時は◯◯さん宛てにお願いします。」
会社に通りやすい伝え方の型
コツは「お願い」ではなく「相談+代案セット」にすること。
1) 先に決めるメモ
- 出産予定日
- 取りたい休業の候補(例:出生直後に2週間+1か月後に2週間)
- 不在になる業務と、引き継ぎ先の案
- 緊急時の連絡手段(連絡の頻度ルールも)
2) 上司に最初に言う順番
おすすめはこの順。
- 取得したい意思(育休を取りたい)
- 期間の候補(いつからいつまで)
- 仕事への影響(ここが不安だと思うので)
- 引き継ぎ案(だからこう回したい)
- 手続き確認(人事に確認して進めます)
メール文例テンプレ
社名や部署文化に合わせて、固すぎない言い回しにしています。コピペして整えてください。
1) 育休希望の初回相談メール(上司宛)
件名:育児休業取得のご相談
〇〇部 〇〇様
お疲れさまです。〇〇(氏名)です。
私事で恐縮ですが、配偶者の出産に伴い、育児休業の取得を検討しており、ご相談です。
現時点では、下記の期間を候補として考えています。
・取得候補:〇月〇日〜〇月〇日(〇日間)
・取得形態:一括/分割(候補:〇〇)
業務への影響を最小化できるよう、担当業務の洗い出しと引き継ぎ案も併せて整理中です。
一度お時間をいただき、取得時期と引き継ぎの進め方をご相談させてください。
どうぞよろしくお願いいたします。
〇〇(署名)
2) 正式申請メール(上司+人事CC)
件名:育児休業取得の申請(〇月〇日〜〇月〇日)
〇〇部 〇〇様
(人事部 〇〇様 CCにて失礼します)
お疲れさまです。〇〇(氏名)です。
先日ご相談した育児休業について、下記の通り取得を申請いたします。
・取得期間:〇月〇日〜〇月〇日
・取得区分:出生時育児休業/育児休業
・引き継ぎ:〇〇業務は〇〇さんへ、〇〇業務は手順書を作成し共有予定
・休業中連絡:緊急時のみ携帯(平日〇時〜〇時の範囲で対応)
必要書類や社内手続きについて、ご指示いただければ対応いたします。
引き継ぎスケジュールも別途共有いたします。
よろしくお願いいたします。
〇〇(署名)
3) 期間変更のお願いメール(出産が早まった/延びた など)
件名:育児休業期間変更のお願い(〇月〇日開始 → 〇月〇日開始)
〇〇部 〇〇様
お疲れさまです。〇〇(氏名)です。
育児休業の取得について、出産予定の変更に伴い、取得期間の調整をご相談させてください。
(理由:出産日が前後したため/医師の指示で予定が変更となったため 等)
変更前:〇月〇日〜〇月〇日
変更後:〇月〇日〜〇月〇日
引き継ぎについては、影響が出ないよう〇〇までに〇〇を完了させる計画で進めます。
お手数をおかけしますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
〇〇(署名)
4) 在宅勤務・時短への切り替え相談メール
件名:出産前後の勤務形態についてのご相談(在宅/時短)
〇〇部 〇〇様
お疲れさまです。〇〇(氏名)です。
出産前後の家庭事情により、一定期間の在宅勤務/時短勤務の可能性についてご相談です。
育児休業の取得とあわせて、業務継続の形として現実的な選択肢を整理したく考えています。
・希望期間:〇月〇日〜〇月〇日
・希望形態:在宅(週〇日)/時短(〇時〜〇時)
・業務面の調整案:〇〇業務は〇〇で対応、会議は〇〇で参加 など
一度ご相談のお時間をいただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
〇〇(署名)
言いづらいときに使えるフレーズ集
角が立ちにくく、でも弱くならない言い方です。
- まず先に共有しておきたく、早めにご相談しました
- 期間は一旦この案で進め、変更が出たらすぐ報告します
- 引き継ぎを前倒しで進めたいので、確認だけ先にお願いします
- 迷惑をかけないために、私の方で代案も用意してきました
会社・人事に確認しておくチェックリスト
ここを詰めておくと、途中で詰まりにくいです。
- 申請の締め切り(社内ルール)
- 申請先(上司→人事→勤怠システムなど)
- 必要書類(どれを、いつまでに)
- 給付金の申請フロー(会社経由か、自分で何を出すか)
- 休業中の連絡ルール(頻度・手段)
- 休業前に返却が必要な物(PC・社用スマホなど)
まとめ
育休を取りやすくするのは、気合いより段取りです。
- 早めに予告して、期間は言い切る
- 引き継ぎ案をセットで出す
- メールで残して、手続きは淡々と進める
育休は、家庭を守るための時間でもあり、復職後の自分を守る時間でもあります。
変に気負わず、必要な準備をして、安心して赤ちゃんを迎えにいきましょう。

