マミーブレインって何?妊娠中や産後に物忘れが増えるママの脳と心の話

「最近、妻の物忘れが増えた気がする」
「同じことをさっきも聞かれたような…」
「前はバリバリ仕事していたのに、どうしたんだろう?」

妊娠中〜産後のママと暮らしていると、パパはこうした違和感を覚えることがあると思います。

それ、よく言われる「マミーブレイン」の状態かもしれません。

この記事では、

・マミーブレインってそもそも何なのか
・なぜ妊娠中や産後に物忘れや集中力低下が起きやすいのか
・ママの中でどんな気持ちが渦巻いているのか
・パパにできる具体的なサポート

を、パパ向けに分かりやすくまとめます。

目次

マミーブレインってどういう状態?

「マミーブレイン」は、医学用語ではなく、
妊娠中や産後のママによく見られる、こんな状態を指す言葉です。

・物忘れが増える
・集中力が続かない
・簡単な言葉がすっと出てこない
・やろうとしていたことをすぐ忘れる

例えば、

・家の鍵やスマホをよくどこかに置き忘れる
・コンロの火を消したか何度も確認してしまう
・「あれ」「それ」「あの人」など指示語が増える
・約束していたことを忘れてしまう

こうした変化が、妊娠中〜産後にかけて起きやすくなります。

ポイントは、

「怠けているから」「気が緩んでいるから」ではなく、
妊娠と出産、育児という大きな変化の中で、脳と心にかかる負荷がものすごく大きくなっているということです。

なぜ妊娠中や産後に物忘れが増えるのか

原因はいくつか重なっています。
ざっくりパパ向けに整理すると、こんなイメージです。

ホルモンの大変動

妊娠〜出産〜授乳期にかけて、
ママの体の中では、ホルモンバランスが大きく変化し続けます。

・お腹の赤ちゃんを守るため
・お産の準備のため
・母乳を出すため

体が全力で「赤ちゃんモード」になっている状態です。

このホルモン変化は、

・気分の浮き沈み
・眠りの質の変化
・集中力の低下

など、脳や心のコンディションにも影響します。

睡眠不足と中断される睡眠

夜泣き、授乳、おむつ替え…。
産後のママの睡眠は「細切れ」になりがちです。

・3時間おきに起きる
・ようやく寝たと思ったら、また泣いて呼ばれる
・眠りが浅く、熟睡感がない

こうした状態が続くと、
健康な大人でも頭がぼーっとして当然です。

「なんでそんな簡単なことも忘れるの?」というレベルのことでも、
睡眠不足と疲労が重なれば誰でも起こり得ます。

常にマルチタスク状態

赤ちゃんのお世話は、「今、目の前にあること」だけではありません。

・授乳のタイミング
・次の寝かしつけまでの流れ
・予防接種や健診の予定
・おむつやミルクの残量
・家事の段取り
・上の子がいれば、その予定とケア

こうした「同時進行のタスク」が、ママの頭の中にずっと詰め込まれています。

頭のメモリが常にパンパンの状態なので、
ちょっとしたことがポロッと抜けてしまうのは、ある意味当然です。

環境の激変とストレス

妊娠〜出産〜産後は、
生活リズムから人間関係、仕事との付き合い方まで、大きく変わる時期です。

・外に出てリフレッシュする時間が減る
・自分のペースで動けない
・「いいお母さんでいなきゃ」というプレッシャー

こうしたストレスも、「考える力」「覚える力」に影響します。

つまり、マミーブレインは

「体の変化+睡眠不足+タスク過多+ストレス」が全部重なった結果

として起きている状態だと考えると、パパもイメージしやすいと思います。

ママ自身も「分かってる」のに、落ち込んでいる

大事なポイントは、
ママ本人も

「最近、物忘れひどいな…」
「前みたいにサクサク動けないな…」

と、自覚していることが多いという点です。

例えばこんな場面があります。

・何度も同じことを聞いてしまい、「さっきも言ったよ」と言われて落ち込む
・鍵や財布をなくして、自分でも呆れてしまう
・前は仕事も家事もこなせていたのに、今の自分が別人のように感じる

ママの心の中には、

「こんなはずじゃなかった」
「しっかりしなきゃいけないのに」
「ダメな母親だと思われたくない」

という焦りや自己嫌悪が、すでにあります。

ここでパパから、

「また忘れてるじゃん」
「前はできてたのに、どうしたの?」
「ちゃんとしてよ」

と言われると、

・責められた
・理解されていない
・味方がいない

と感じて、さらに追い詰められてしまいます。

よくあるマミーブレインの「あるある例」

パパが「ああ、あるかも」とイメージしやすいように、
具体例をいくつか挙げてみます。

・買い物に行ったのに、肝心なものだけ買い忘れる
・同じ話を何度もしてしまう
・「これやろう」と立ち上がったのに、何をしようとしたか忘れる
・保育園や幼稚園の提出物をギリギリまで忘れている
・予定を聞かれたとき、「あれ、なんだっけ」とすぐに出てこない
・家事をしている途中で、別のことを始めてしまう

こうした一つ一つは、「気を付ければ防げる」ように見えます。

でも、ママはすでに24時間、赤ちゃんや家のことに頭を使い続けている状態です。

パパは、

「なんでこんな単純なことを忘れるんだろう?」

ではなく、

「ここまで頭の中がいっぱいなんだな」

と理解してあげるところからスタートできると、
ママへの接し方が自然と変わってきます。

パパがやりがちなNGリアクション

無意識のうちに、ママをさらに落ち込ませてしまう反応があります。

・「また?」と溜め息をつく
・「前はできてたじゃん」と昔と比較する
・「ちゃんとして」「しっかりして」と抽象的に注意する
・「俺だって疲れてる」と張り合ってしまう
・ママのミスを、冗談っぽく何度もネタにする

こうした言葉は、
ママの中で

「やっぱり自分がダメなんだ」
「誰も分かってくれない」

という気持ちを強化してしまいます。

パパに悪気がなくても、
ママの心には深く残りやすいので、意識して避けたいところです。

パパにできる具体的なサポート

ここからは、パパにできる「現実的な支え方」をまとめます。

1. 責めるのではなく「一緒に仕組みを作ろう」と提案する

「忘れないようにしてよ」ではなく、

「お互いに忘れないように、仕組みを作らない?」

という言い方に変えてみましょう。

例えば、

・玄関に「持ち物チェックリスト」を貼る
・冷蔵庫に家族カレンダーを貼って、予定を書き込む
・スマホの共有カレンダーを使って、予定や締切を共有する
・大事なことはLINEやメモに残しておく前提にする

ポイントは、「ママの問題」としてではなく
「家族の課題」として扱うことです。

2. 予定管理を一部パパが引き取る

ママの頭のメモリを空けるために、
パパが「担当領域」を持つのも有効です。

・保育園・幼稚園・学校からのお便りのチェック
・予防接種のスケジュール管理
・ゴミ出しの曜日・分別ルールの管理
・宅配やネットスーパーの注文担当

など、「見落とせない予定」を
パパが一部引き受けてしまうイメージです。

「何かあったら言って」ではなく、
「これは俺が見るから任せて」で取りに行くのがポイントです。

3. ミスがあったときの声かけを変える

忘れ物やダブり買いが起きたとき、
言い方を少し変えるだけで、ママの心へのダメージが全く違います。

NG
「だから言ったじゃん」
「また?ちゃんとしてよ」

言い換え例
「こういうこともあるよ。俺もよくやるから大丈夫」
「次から俺がやるようにする?」
「今は寝不足だし、これくらい忘れて当然だよ」

「責めない」「一緒に考える」というスタンスが伝われば、
ママは「次は気をつけよう」と前向きになれます。

4. 睡眠と休憩時間を確保する方向で考える

根本原因の一つが「睡眠不足」なので、
パパができる範囲で、ママの睡眠と休憩時間を増やす工夫も大事です。

・休日の朝、パパが子どもを見る時間を作り、ママに二度寝してもらう
・夜の寝かしつけをパパが担当する日を決める
・授乳以外の夜間対応(おむつ替え・抱っこ)はパパが担当する時間帯を作る
・実家や家事代行サービスなど、外部の手を借りることも検討する

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ママの睡眠時間が少し増えるだけでも、
物忘れやイライラが目に見えて減ることがあります。

5. 気持ちそのものを受け止める

マミーブレインのつらさは、
「忘れること」そのものよりも、

「前の自分と比べて落ち込む」
「ちゃんとしなきゃと自分を責める」

という心の部分にあります。

だからこそ、パパの一言で救われることも多いです。

・「今は赤ちゃん育てるだけで十分すごいよ」
・「前みたいに完璧じゃなくて大丈夫。今は助けを借りる時期だと思ってほしい」
・「忘れやすくなってるのは、怠けじゃなくて、この生活リズムならむしろ自然なことだよ」

こうした言葉は、ママの自己否定を少しずつ和らげてくれます。

マミーブレインは、ずっと続くわけではない

「このままずっと、この状態が続くのかな…」と不安になるママも多いですが、
マミーブレインの状態は、多くの場合ずっと続くものではありません。

・ホルモンバランスが落ち着いてくる
・授乳間隔が空き、睡眠時間が少しずつ増えてくる
・育児と日常のリズムが馴染んでくる

こうした変化とともに、

・物忘れの頻度が減る
・集中力が戻ってくる
・「前より頭が回るようになってきた」と感じる

といった感覚が、少しずつ戻ってきます。

個人差はありますが、多くのママは
妊娠後期〜産後1年くらいの「一番大変な時期」を越えると、
かなりラクになっていきます。

それでも心配なときは

もしパパから見て、

・物忘れだけでなく、ずっと元気がない
・涙もろくなり、些細なことでひどく落ち込む
・「消えてしまいたい」「全部投げ出したい」という言葉が増えている
・食欲が極端になくなる、または過食が続いている

といった状態が続くようなら、
産婦人科や心療内科、自治体の相談窓口など、専門家に相談することも考えてください。

マミーブレインと、産後うつや強い不安が重なっている場合もあります。

そのときも、

「病院行ったら?」と丸投げするのではなく、

「一緒に相談できる場所を探そうか」
「まずは話だけでも聞いてもらってみない?」

という形で寄り添ってあげられると安心です。

まとめ:マミーブレインは「二人で乗り切るもの」

マミーブレインは、

・ホルモン変化
・睡眠不足
・タスク過多
・ストレス

が全部重なった結果、
ママの脳と心がフル稼働しているサインでもあります。

パパにできるのは、

・「怠け」ではなく「状況の結果」だと理解すること
・責めるのではなく、一緒に仕組みを作ること
・予定管理や家事を引き取って、ママの頭のメモリを空けること
・「今のままでも十分頑張ってる」と伝え続けること

この4つです。

マミーブレインは、ママ一人の問題ではなく、
家族全体の環境の問題でもあります。

「ちゃんとしてよ」ではなく、

「今は二人で乗り切ろう」
「忘れても大丈夫な仕組みを一緒に作ろう」

そう言ってくれるパパの存在が、
ママにとって、何より心強い支えになります。

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