妊娠中のママは、見た目が元気そうに見える日でも、体の中ではずっと「大工事」が起きています。
腰が痛い、むくむ、息が上がる、眠すぎる。お腹が大きいから…だけじゃなく、ホルモンや血液量、内臓の位置まで変わるので、いろんな不調が同時に出やすい時期です。
ここでややこしいのが「マイナートラブル」という言葉。
医療の世界で“重症ではないことが多い”という意味で、本人にとって「軽い」わけではありません。
この記事では、妊娠中に起こりやすい不調をざっくり整理しつつ、パパが現実的にできる支え方をまとめます。
マイナートラブルって結局なに?
妊娠中の不調の多くは、病気というより「体の仕様変更」で起きます。
- ホルモン変化(眠気、気分の波、便秘、むくみなど)
- 血液量が増える(動悸、息切れ、貧血っぽさ)
- 子宮が大きくなる(胃もたれ、頻尿、腰痛)
- 体重や姿勢が変わる(腰、骨盤、足の負担)
パパ側は「原因がはっきりしない不調が、毎日ちょっとずつ違う形で出る」と理解しておくと、対応が楽になります。
妊娠中に起きやすい不調一覧
ここからは“よくあるけどつらい”ものを、症状ごとにまとめます。全部が起きるわけではないし、程度も人それぞれです。
眠気・だるさ・疲れやすさ
- とにかく眠い、朝から体が重い
- ちょっと動いただけでぐったりする
- 休んでも疲れが抜けない
妊娠は体力を使います。怠けているわけじゃなく、燃費が変わっている状態です。
「寝ていいよ」ではなく、「寝られるように周りを整える」のが効きます。
腰痛・骨盤まわりの痛み
- 立ち上がると腰が痛い
- 寝返りがつらい
- 骨盤まわりがグラグラする感じ
姿勢が変わる+靭帯がゆるむ影響で、腰と骨盤に負担が来やすいです。
家事の中でも、床の物を拾う、洗濯かごを運ぶ、掃除機などが地味に痛みを増やします。
むくみ・こむら返り
- 夕方になると足がパンパン
- 指輪がきつい
- 夜中にふくらはぎがつる
血液量が増えたり、下半身に水分がたまりやすかったりで起きます。
「足が太くなった?」みたいな言葉は地雷なので、言わないのが正解です。
マッサージしてあげてください。
便秘・痔・お腹の張り
- 便秘が続く
- いきむのが怖い
- 痔っぽくて座るのが痛い
- ガスがたまって苦しい
ホルモンの影響で腸の動きが弱くなり、子宮の圧迫も重なります。
ここはママが言い出しにくい代表ゾーン。放置するとつらさが長引きやすいので、パパが“恥ずかしがらせない空気”を作れると助かります。
胃もたれ・逆流・食後の気持ち悪さ
- すぐ満腹になる
- 食後に胃が重い
- 横になると逆流する
胃が圧迫されやすくなります。量より回数、油ものやにおいの強いものは体調次第でしんどくなります。
動悸・息切れ・貧血っぽさ
- 階段で息が上がる
- 心臓がドキドキする
- 立ちくらみっぽい
血液量が増えるのに鉄が足りなくなりやすく、息切れや動悸につながることもあります。
ただし強い症状や胸の痛みがあるときは自己判断しないで相談が安心です。
頭痛・めまい・集中力の低下
- 頭が重い日がある
- ふわっとする
- ぼーっとしてミスが増える
睡眠不足、血圧、貧血、ストレスなどが絡みます。
「ちゃんとしてよ」系の言葉は逆効果になりやすいので注意です。
おりもの増加・かゆみ・肌トラブル
- おりものが増える
- かゆみ、かぶれ
- 肌が敏感になった
妊娠中は分泌が変わります。ニオイやかゆみ、痛みが強い場合は感染症のこともあるので、気になったら産院で相談が早いです。
いわゆる“恥ずかしい系”の不調(頻尿・尿もれ・痔など)
- トイレが近い、夜も起きる
- くしゃみでちょっと漏れる
- 下着の不快感が増える
ここを茶化されると、ママは一気に話せなくなります。
ママからそれとなく話されたら「対策を一緒に考える」または受け止めるだけで十分です。
(ママの性格に合わせてください。)
原因追及や正論は不要です。
受診を急いだほうがいいサイン
マイナートラブルの範囲に見えても、妊娠中は“いつもと違う”が重要です。
ママが躊躇っていても次のような症状は、迷ったら産院へ連絡・相談してください(緊急の場合は救急)。
- 出血がある、強い腹痛がある
- 破水が疑われる(急に水っぽいものが出続ける等)
- 高熱、激しい嘔吐で水分がとれない
- 強い頭痛、目がチカチカする、急なむくみ(顔・手など)
- 息苦しさが強い、胸の痛みがある
- 強いかゆみ、痛みを伴う排尿、悪臭を伴うおりもの
- 妊娠後期で胎動が明らかに少ないなど、違和感がある
「迷うくらいなら連絡していい」のが妊娠中です。遠慮して我慢する方がリスクになります。
パパにできることは「治す」より「ラクにする」
不調をゼロにするのは難しいですが、ラクにすることはできます。ポイントは3つです。
- 体に負担の大きい家事を“先に”引き取る
- 体調の波に合わせて、食事や予定を柔らかく変える
- 言い出しにくい不調を「普通に話せる話題」にする
症状別・パパがやりやすいサポート例
- 腰痛:床作業、掃除機、洗濯かご運び、買い出しを担当。立ちっぱなしを減らす
- むくみ:足を上げて休める時間を作る。外出は無理させない
- 便秘:水分、食物繊維系の食料を買う。トイレの環境(補充や掃除)を整える
- 痔:ドーナツ型クッションを用意する
- 胃もたれ:食事量を小分けにできるよう、軽食や果物、ヨーグルト等を用意
- 眠気:寝られる環境づくり(静かにする、起こさない、家事を先に片付ける)
- 息切れ:階段や移動を急かさない。荷物は全部持つ
大事なのは「何か手伝うことある?」より、「これやっとくね」が増えること。
妊娠中は、指示を出すのもしんどい日があります。
声かけは“評価”より“状況確認”
言い方ひとつで、ママの疲れは軽くも重くもなります。
避けたい言葉の例
- 気のせいじゃない?
- それくらい大丈夫でしょ
- みんなやってるよ
- いつまで続くの?
代わりに使いやすい言い方
- いま一番つらいのってなに?
- 今日の予定、軽くしていい?
- 立つのしんどそう。俺がやるよ
- 病院に聞いた方が安心なら、連絡しよう
言い出しにくい不調を話しやすくする聞き方
“恥ずかしい系”は、話せないだけで困っていることが多いです。
- 人がいる場所で突っ込まない(家族の前、外では聞かない)
- 「大丈夫?」より「困ってることある?」の方が答えやすい
- 解決策を押し付けず、選べる形で出す
例:病院に聞く?薬局で相談する?今日は休む?
一番やってはいけないのは、笑い話にすること。ここで壁ができます。
今日からできるチェックリスト
パパが“今夜から”やれることをまとめます。
- 重い物、床の片付け、掃除機はパパ担当にする
- 食事は「食べられるもの優先」でOKにする(理想の栄養より現実)
- 水分が取りやすい飲み物を家に増やす
- 予定は「やめる選択」も普通に入れる(無理しないが正解)
- 不調の話は茶化さない。淡々と聞く
- “いつもと違う”があったら産院へ相談する前提にする
マイナートラブルは「気合いで消すもの」じゃない
妊娠中の不調は、ママが弱いからでも、甘えているからでもありません。
体が赤ちゃんを育てるモードに切り替わっているサインです。
パパができる一番大きい支えは、正しい知識を語ることよりも、負担が増えるポイントを先に減らしていくこと。
同じ不調でも「分かってくれる人がいる」だけで、しんどさはかなり変わります。
完璧じゃなくて大丈夫です。
今日できることを一つ増やして、明日もう一つ増やす。その積み重ねが、妊娠期間を一緒に乗り切る力になります。

