育児中にパパの気分が落ち込む、いら立つ、眠れないという状態が続くなら、父親自身も支援や医療相談の対象です。「出産していない自分が弱音を言ってはいけない」と我慢する必要はありません。
まず安全と休息を確保し、仕事・家事・育児の負担を調整します。つらさが強いときは、生活の工夫だけで抱えず、かかりつけ医や地域の相談先を利用してください。
「疲れているだけ」と片づけず、状態を確認する
子どもが生まれた後は、睡眠、仕事の予定、家事の量、人と話す時間が変わります。父親にも、うつや不安などの問題が起こることがあります。厚生労働省の資料でも、出産・子育てに悩む父親への支援が取り上げられています。
- 休める時間があっても眠れない。
- 楽しめていたことが楽しめず、気分の落ち込みが続く。
- 不安やいら立ちが強く、仕事や生活に支障がある。
- 自分を強く責める、いなくなりたいと思う。
当てはまる数だけで自己診断するための一覧ではありません。期間、強さ、生活への影響を、相談時に伝える目安として使ってください。つらければ、一定の日数が過ぎるまで待つ必要はありません。
いら立ちが強いときは、子どもの安全を先にする
赤ちゃんの泣き声に耐えられなくなったときは、別の大人に交代を頼みます。一人の場合は、赤ちゃんを安全な乳児用の寝床にあおむけで寝かせ、少し離れて気持ちを落ち着かせ、戻って様子を確認してください。家を出て置き去りにすることではありません。
激しく揺さぶったり、口や鼻をふさいだりしないでください。安全な対応はこども家庭庁「赤ちゃんが泣きやまない」で確認できます。
自分や家族を傷つけそうで安全を保てない場合は、近くの人に助けを求め、差し迫った危険には119・110などの緊急対応につなぎます。
負担を調整するためのメモ
| 書き出す項目 | 例 |
|---|---|
| 体の状態 | 睡眠の合計と中断、食事、疲れや痛み |
| 仕事 | 残業、通勤、締め切り、調整できそうな業務 |
| 家庭 | 担当している作業・予定管理・夜間対応 |
| 困る場面 | 帰宅直後、深夜の泣き声、相談相手がいない時間 |
| 必要な支援 | 休息の交代、仕事量の相談、受診や支援の予約 |
「怖い」「寂しい」「もう限界」といった感情も書いてかまいません。事実だけを上手に説明できないと、相談してはいけないわけではありません。
パートナーへは、状態と具体的な提案を伝える
文例:「ここ数日、眠れず仕事中も集中できない。今夜の対応と、明日相談する時間を一緒に調整したい。夕食と片付けは僕が担当して、その後の休息を交代で取れないかな。」
相手にも余裕がない場合は、「どちらが大変か」を決めるより、二人の休息を予定に入れます。相手に毎回の指示を頼むだけでなく、担当する作業と完了範囲を先に共有しましょう。
威圧や暴力があり、話し合うこと自体が怖い場合は、安全を優先して第三者へ相談してください。相手の機嫌に合わせ続けることだけを解決策にしないようにします。
相談先は、家庭の外にもある
- 自治体の保健師・子育て相談窓口:父親が相談できる支援や地域の交流の場を確認する。
- かかりつけ医、心療内科・精神科:眠れない、気分が落ち込むなどの症状を相談する。
- 職場の産業医・相談窓口:仕事量や働き方の調整を相談する。
- 厚生労働省の相談案内:電話・SNS・メールなど、話しやすい方法を探す。
友人やほかの父親と話すことも支えになりますが、医療が必要な不調の代わりにはなりません。相談先に迷う場合は、厚生労働省の相談先一覧から探せます。

