パパが会社に育休を伝えるときは、取得したい意思と期間を早めに共有し、法定の申出期限までに正式な手続きを進めます。育児休業の申出は原則開始1か月前、産後パパ育休は原則2週間前です。妊娠の共有時期は、本人・配偶者の希望や業務調整を踏まえて決めましょう。
育休は、対象となる労働者が法律に基づいて申し出る制度です。引き継ぎ案が完璧でなければ取得できない、上司の好意が必要というものではありません。この記事は、勤務先に雇用される方向けに、申出の順番とメール文例をまとめています。
育児休業と産後パパ育休|期限と分割の違い
| 制度 | 基本となる期間 | 申出期限の原則 | 分割 |
|---|---|---|---|
| 育児休業 | 原則、子が1歳になるまで。要件を満たす延長などの特例あり | 開始1か月前。1歳以降の延長などは別の期限を確認 | 原則2回に分けられ、それぞれ申出 |
| 産後パパ育休(出生時育児休業) | 原則、出生後8週間以内に合計28日まで。予定日と出生日が違う場合の対象期間は確認 | 開始2週間前。一定の要件を満たす労使協定がある場合は最長1か月前 | 2回に分けられ、初めにまとめて申出 |
社内の事務締切と法定の申出期限を区別してください。会社が独自に早い期限を設けたからといって、そのまま法律上の権利がなくなるわけではありません。対象者・雇用契約・労使協定による除外や、予定より早い出産の場合の扱いは、人事と厚生労働省の案内で確認します。厚生労働省:育児休業制度
会社に伝える順番|事前共有と正式申出を分ける
- 家庭で期間の候補を出す:退院後の支援、上の子の予定、家計を見ながら希望を整理する。出産予定日は確定日ではないため、変更時の連絡も決める。
- 上司・人事へ共有する:「〇月に出産予定で、〇月〇日から育児休業を取得する予定です。申出方法と引き継ぎを確認したいです」と伝える。
- 必要書類と期限を確認する:会社指定の申出書やシステム、提出先を確認。口頭の相談だけで正式申出が済んだと考えない。
- 期限までに提出し記録を残す:提出した内容、日付、会社からの通知を保管する。不足書類がある場合は期限前に担当者へ相談する。
- 引き継ぎと変更時の連絡を整える:会社と担当者・代替窓口を決め、出生日などに変更があれば速やかに連絡する。
妊娠・出産の情報を職場の誰まで共有するかは、配偶者とも確認しましょう。必要以上の診療内容を同僚に伝える必要はありません。会社には、妊娠・出産の申出を受けた際の制度の個別周知・意向確認などの義務があり、2025年10月からは両立に関する個別の意向聴取・配慮も義務化されています。厚生労働省:法改正のポイント
引き継ぎ表には「代替窓口」を入れる
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 業務と進捗 | 月次報告/資料集計まで完了 |
| 次の期限・対応 | 〇月〇日までに確認して提出 |
| 資料の場所 | 社内共有フォルダと手順書 |
| 担当者・相談先 | 会社と決めた担当者、判断が必要な場合の上司 |
| 休業中の窓口 | 顧客・社内問い合わせは代替担当者へ |
人員配置や仕事の優先順位は会社と調整する事項です。自分一人で代役を確保することを、取得の条件にしないでください。
休業中の「毎日少しだけ仕事」は前提にしない
通常の育児休業は、休業中の就労を原則として想定していません。一時的・臨時的な就労には条件があり、恒常的・定期的に働けば育児休業に当たらない場合があります。給付の就業日数・時間の基準は「その範囲なら自由に働いてよい」という許可ではありません。産後パパ育休中の就業にも別の手続きと上限があります。
「休業中も毎日メールを確認します」と約束せず、業務連絡は代替窓口へ集めます。どうしても対応が生じる場合は、人事・ハローワークに就業と給付の扱いを事前確認してください。厚生労働省:育児休業中の就労
メール文例テンプレ
以下は連絡用の文例です。会社指定の申出書や申請システムの代わりになるとは限らないため、必要な項目・提出方法を確認して使ってください。
1) 育休希望の初回相談メール(上司宛)
件名:育児休業取得のご相談
〇〇部 〇〇様
お疲れさまです。〇〇(氏名)です。
私事で恐縮ですが、配偶者の出産に伴い、育児休業の取得を検討しており、ご相談です。
現時点では、下記の期間を候補として考えています。
・取得候補:〇月〇日〜〇月〇日(〇日間)
・取得形態:一括/分割(候補:〇〇)
業務への影響を最小化できるよう、担当業務の洗い出しと引き継ぎ案も併せて整理中です。
一度お時間をいただき、取得時期と引き継ぎの進め方をご相談させてください。
どうぞよろしくお願いいたします。
〇〇(署名)
2) 正式申請メール(上司+人事CC)
件名:育児休業取得の申請(〇月〇日〜〇月〇日)
〇〇部 〇〇様
(人事部 〇〇様 CCにて失礼します)
お疲れさまです。〇〇(氏名)です。
先日ご相談した育児休業について、下記の通り取得を申請いたします。
・取得期間:〇月〇日〜〇月〇日
・取得区分:出生時育児休業/育児休業
・引き継ぎ:〇〇業務は〇〇さんへ、〇〇業務は手順書を作成し共有予定
・休業中の業務連絡:代替窓口の〇〇さんへ。人事手続きの連絡方法は別途確認
所定の申出書を添付(または申請システムから提出)しました。不足事項と受領についてご確認をお願いいたします。
引き継ぎスケジュールも別途共有いたします。
よろしくお願いいたします。
〇〇(署名)
3) 期間変更のお願いメール(出産が早まった/延びた など)
件名:育児休業期間変更のお願い(〇月〇日開始 → 〇月〇日開始)
〇〇部 〇〇様
お疲れさまです。〇〇(氏名)です。
育児休業の取得について、出産予定の変更に伴い、取得期間の調整をご相談させてください。
(理由:出産日が前後したため/医師の指示で予定が変更となったため 等)
変更前:〇月〇日〜〇月〇日
変更後:〇月〇日〜〇月〇日
変更に必要な申出方法・期限をご確認ください。引き継ぎ状況は〇〇にまとめています。
お手数をおかけしますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
〇〇(署名)
4) 在宅勤務・時短への切り替え相談メール
件名:出産前後の勤務形態についてのご相談(在宅/時短)
〇〇部 〇〇様
お疲れさまです。〇〇(氏名)です。
出産前後の家庭事情により、一定期間の在宅勤務/時短勤務の可能性についてご相談です。
育児休業の取得とあわせて、業務継続の形として現実的な選択肢を整理したく考えています。
・希望期間:〇月〇日〜〇月〇日
・希望形態:在宅(週〇日)/時短(〇時〜〇時)
・業務面の調整案:〇〇業務は〇〇で対応、会議は〇〇で参加 など
一度ご相談のお時間をいただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
〇〇(署名)
人事に確認するチェックリスト
- 対象となる休業制度、申出期限、提出先と必要書類
- 出生が前後した場合や分割・延長の手続き
- 休業中の給与の有無、給付の申請担当と入金までの見込み
- 社会保険料・住民税の取り扱いと支払方法
- 復職後の勤務時間・勤務地などの希望を伝える機会
取得を理由に解雇・降格などの不利益な扱いをすることは禁止されています。申出を受け付けてもらえない、取得を思いとどまらせる言動がある場合は、日時と内容を記録し、人事や都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ相談してください。厚生労働省:育児・介護休業法と相談情報
取得日程が見えたら、育休中の家事・育児分担と週1回10分の夫婦の作戦会議で、家庭での担当と休息も具体化しておきましょう。制度情報の確認日:2026年9月19日。

