赤ちゃんの防災は「抱えて避難できる持ち出し品」と「自宅で使う備蓄」を分けることから始めます。おむつ・ミルク・離乳食は普段の使用量を基準にし、月齢やアレルギーに合うものを備えましょう。
| 準備 | 考え方 |
|---|---|
| 持ち出し品 | 子どもと一緒に安全に運べる量。水・授乳用品・おむつ・薬などを優先 |
| 自宅の食品備蓄 | 一般には最低3日分、できれば1週間分を人数分 |
| 乳児用ミルク・離乳食など | 手に入りにくくなるため、農林水産省の案内では少なくとも2週間分を推奨 |
日数分をすべてリュックに入れるという意味ではありません。持ち出し量は移動手段・子どもの体重・大人の人数に合わせて試し、自宅備蓄と分けて管理します。出典:農林水産省・災害への食品備蓄、乳幼児のための食品備蓄のポイント(PDF)。
0〜2歳の子どもがいる家庭で考えておきたいこと
赤ちゃんが生まれると、地震・台風・停電などのニュースの見え方がガラッと変わります。
「もし今、急に停電になったら…」
「オムツやミルクが手に入らなくなったら…」
そう考えると、不安になるパパ・ママも多いと思います。
このページでは、
- 赤ちゃん連れの避難で必要なもの
- 自宅で備蓄しておきたいもの
- 避難バッグの中身の具体例
- 平時にパパがしておける準備
をまとめていきます。
赤ちゃん連れの防災で知っておきたい基本
大人だけの防災と違い、赤ちゃんがいると次のポイントが重要になります。
- 自分で歩けない・走れない → 月齢に合う抱っこ紐など移動手段の確認が必要
- オムツ・ミルクなど、必要なものが多い
- 泣き声やぐずりで、周囲の目が気になる
- 環境の変化に弱く、体調を崩しやすい
だからこそ、「最低限これだけは持って出る」「家にはこれだけは置いておく」というラインを、赤ちゃん仕様で考え直すことが大切です。
赤ちゃん連れ避難で必要なものリスト
まずは「最低限」セット
持ち出し品を選ぶための候補です。下記を全部詰め込まず、子どもを連れて実際に運べる量に調整してください。車中泊を安全な避難方法と一律に考えないようにしましょう。
赤ちゃん用(0〜2歳)の目安
- オムツ:普段の1日の使用枚数を記録し、持ち出せる量と自宅備蓄を分ける
- おしりふき:1パック
- ビニール袋(使用済みオムツ用)
- おむつ替えシート(レジャーシートでも代用可)
- ガーゼ・タオル:数枚
- 着替え:上下1〜2セット、肌着1〜2枚
- ブランケットやおくるみ(防寒用)
- お気に入りのおもちゃ・タオルなど、安心材料になるもの
ミルク・ごはん関連
- 粉ミルク or キューブミルク or 液体ミルク
- 哺乳瓶(2本あると安心)
- 使い捨て紙コップ・スプーン(洗えないとき用)
- 離乳食パウチ(食べ慣れているもの)
- 赤ちゃん用の飲料水(ミルクに使えるもの)
母乳で育てている場合は、災害を理由に一律にミルクへ切り替える必要はありません。授乳を続けやすい休息・水分・食事・場所の確保も備えです。飲み方や必要な補足について不安がある場合は助産師・保健師・医師に相談し、その家庭に合う準備をしましょう。
大人も含めて必要なもの(共通)
- 飲料水(500mlペットボトルを数本)
- カロリーメイト・ようかん・ビスケットなど、すぐ食べられるもの
- マスク・ウェットティッシュ・除菌シート
- 携帯トイレ(簡易トイレ)
- ポケットティッシュ・トイレットペーパー
- 懐中電灯(できればヘッドライトタイプ)
- モバイルバッテリー+充電ケーブル
- 母子健康手帳・お薬手帳・服用中の薬、受診や連絡に必要な情報(個人情報の管理に注意)
これらは、「避難バッグ」として1つにまとめておき、「玄関近く」などすぐ持ち出せる場所に置いておくと安心です。
自宅備蓄品:できれば1週間分を目安に
避難所に行かず、自宅で過ごすケースも多くあります。
その場合に備えて、最低3日、できれば1週間分を目安に備蓄を考えてみましょう。
水・食料
水
- 一般的な備蓄の目安は1人1日おおよそ3リットル(飲料・調理用)× 人数 × 日数。乳児に飲ませる量を示す数字ではありません
- 調理用・歯みがき用なども考えると、多めにあって困りません
大人向け食料
- レトルトごはん・パスタソース
- カップ麺(お湯が使える場合)
- レトルトのおかゆ・スープ類
- 缶詰(魚・豆・フルーツなど)
- そのまま食べられるパン・ビスケット
赤ちゃん用
- ミルク・液体ミルク
- 月齢に合った離乳食パウチ・ベビーフード
- 赤ちゃんせんべい・ボーロなどの軽食
衛生・トイレ関連
- オムツ(普段より少し多めにストックしておく)
- おしりふき・ウェットティッシュ
- 簡易トイレ・凝固剤
- ビニール袋(大・中・小)
- キッチンペーパー
- アルコールスプレー・除菌ジェル
災害用アイテム
- 懐中電灯・ランタン(電池式 or 充電式)
- 予備電池
- モバイルバッテリー
- カセットコンロ+ボンベ
- 防寒グッズ(毛布・寝袋・カイロ)
- 底のしっかりした靴など、足を保護できるもの
これらを、家の一角に「防災コーナー」としてまとめておくと管理がしやすくなります。
大人用ならこのようなセットを購入しておくのも手です。
避難バッグの中身を具体的に整理する
子どもを連れて運べる量・分け方を試す
- 家族全体のもの:パパが背負うリュック
- 赤ちゃんとママ用のもの:軽めのバッグ or マザーズバッグ
のように分けておくと、持ち運びやすくなります。
赤ちゃん用避難バッグの例
必須
- オムツ:持ち出す量は普段の使用枚数と運べる重さで調整
- おしりふき
- おむつ替えシート
- 着替え(ロンパース・肌着)各1〜2枚
- ガーゼハンカチ 3〜4枚
- ブランケット(薄手と厚手があると便利)
- ミルク・哺乳瓶
- 離乳食パウチ・スプーン
- お気に入りのおもちゃ・タオル
あると安心
- 授乳ケープ
- ベビー用保湿クリーム
- 清浄綿
- ベビー綿棒
- 日焼け止め(状況に応じて)
これらをジッパー付きの袋ごとに分けると、避難所の暗い中でも探しやすくなります。
赤ちゃん向けの防災セットも販売されているので活用していくのもよいでしょう。
平時にやっておくべき準備
① 家族で「避難先」「連絡方法」を決めておく
- 自治体が災害の種類ごとに示す避難先(緊急避難場所と生活する避難所の違いも確認)
- 洪水・津波の可能性がある地域なら、高台や別の避難所も確認
- 保育園・幼稚園に通っている場合は、「災害時の引き渡しルール」を必ずチェック
連絡がつかない前提で、
- 「〇〇が家にいるときは、この避難所に向かう」
- 「バラバラのときは、まずはそれぞれの場所で安全確保」
など、ざっくりとした方針だけでも共有しておくと安心です。
② 家の安全対策をする
- 大きな家具は、転倒防止金具で固定
- ベビーベッドや赤ちゃんの寝る場所の上には、ものを置かない
- 窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る
「寝ているときに、ものが落ちてこないか」を基準にチェックしてみてください。
③ 持ち出しリストを紙で貼っておく
避難バッグに入れっぱなしにできないものもあります。
- 母子手帳
- マイナンバーカード
- 受給券
- 財布
- スマホ
- 充電器
こうした「直前に持つもの」は、
玄関や防災コーナーにチェックリストとして貼っておくと、慌てたときの取り忘れ防止になります。
パパが担当しやすい「防災タスク」
防災は、パパが主導しやすい分野でもあります。
- 備蓄品リストを作る
- 実際に買い出しをする(水や重いものは特に)
- 防災グッズ(防災セット・懐中電灯・簡易トイレなど)を選ぶ
- 定期的に賞味期限や電池残量を確認し、おむつ・服のサイズや授乳・離乳食が変わったらその都度入れ替える
カレンダーに
- 「防災チェック」
- 「備蓄入れ替え」
などを定期的に入れておくと、「買ったまま放置」を防げます。
オムツや哺乳瓶、ベビー服のサイズにも気をつけてください。
防災グッズ選びのポイント
防災グッズは種類が多く、迷いやすい分野です。
赤ちゃんがいる家庭なら、次のような視点で選ぶとよいです。
- 赤ちゃん用のオムツやミルク、離乳食がセットに含まれているか
- ランタン・懐中電灯は手がふさがっていても使えるか(ヘッドライトなど)
- 簡易トイレや消臭袋など、「におい対策」まで含まれているか
- 収納しやすいサイズか(玄関やクローゼットに入るか)
セット品を使う場合も、対象年齢・食品の原材料・数量・使用期限・不足品を確認しましょう。価格やキャンペーンは変更される場合があるため、購入先の最新条件を確認してください。
まとめ:今日からできる3つのこと
完璧な備えをいきなり目指す必要はありません。
まずは、次の3つから始めてみてください。
- 家族で避難場所・連絡方法を話してみる
- 家にあるものだけで、簡易避難バッグの「第1版」を作ってみる
- カレンダーに「防災チェック日」を1つ登録する
赤ちゃんとの暮らしは、ただでさえ新しいことだらけです。
その中で、防災まで完璧にやるのは大変です。
だからこそ、パパが一歩リードして、
「うちの防災、ここまではやっておこうか」と言って行動に移すことでママも安心します。
少しずつ、できるところから。
赤ちゃんと一緒の防災・備蓄を、夫婦で進めていきましょう。
授乳・調乳の準備で見落としたくないこと
粉ミルクには安全な水、製品表示に沿った調乳、清潔な器具が必要です。液体ミルクも、対象月齢・開封前後の扱い・使う乳首や容器を確認し、災害時に初めて使う状態を避けましょう。水が少ないからと濃さを変えたり、飲み残しを取っておいたりしないでください。
哺乳瓶の洗浄・消毒が難しい場合に備え、紙コップやスプーンによる授乳方法も専門職に教わっておくと選択肢になります。災害時は保健師・助産師などの支援者へ、月齢・普段の授乳・アレルギー・必要な物を具体的に伝えてください。
参考:日本小児科学会・災害時の母乳育児支援に関する資料(PDF)、農林水産省・赤ちゃんを守るために。
備蓄があっても、危険な家にとどまらない
在宅避難は自宅の安全が確保できることが前提です。自治体のハザードマップで洪水・土砂災害・津波などを確認し、警報や避難情報に従って早めに行動してください。赤ちゃん連れで時間がかかることも含め、避難先と経路を平時に自治体へ確認しておきましょう。
抱っこ紐もベビーカーも、月齢・体格と製品の使用条件を守ります。段差や瓦礫などでベビーカーが使えない場面も想定し、大人1人でも移動できるか、荷物を持って試してください。備蓄を取りに戻って避難を遅らせないことも家族で共有します。
あわせて読む:子どもの病院リスト/車・自宅で子どもを一人にしないための準備。情報確認日:2026年9月19日。

