電車のドア事故は、閉まる扉に挟まれる場合だけではありません。開く扉に触れた手や腕が、扉の収納部分である「戸袋」に引き込まれることがあります。駅に着く前に子どもをドアから離し、手足の位置を確認しましょう。抱っこ中の赤ちゃんにも起こり得る事故です。
「戸袋に引き込まれる」とはどういうこと?
ドアが開くとき、扉は左右へ動き、壁側の収納部分に入ります。その扉に手をついたり、隙間に指を近づけたりすると、動く扉と一緒に引き込まれることがあります。ドア中央の合わせ目だけを見ていても、防ぎきれません。
仙台市交通局も、開くドアに手や持ち物が引き込まれ、抜けなくなったり負傷したりする危険を案内しています。ホームドアがある駅でも、車両のドアに触れない注意は必要です。
実際に公表されている事故
国民生活センターの2015年7月22日発行「子どもサポート情報 第90号」には、ドア付近で外を見ていた5歳の男児が、駅到着時に開いたドアの戸袋へ腕を引き込まれた例が紹介されています。また、母親に抱かれて降りようとした9か月の女児が、戸袋へ腕を引き込まれてけがをした例もあります。
同資料は、骨折や指の切断など重いけがに至ったケースもあると注意喚起しています。上の2例がその重傷例という意味ではありません。また、過去の公表事例であり、現在の発生件数を示す統計ではありません。
「抱っこしているから大丈夫」「閉まる瞬間だけ気をつければいい」という思い込みを見直すために知っておきたい事例です。保護者の性別にかかわらず起こり得ます。
乗る前・走行中・降りる前に確認すること
| 場面 | 親ができる確認 |
|---|---|
| 乗車前 | 駆け込まない。閉まりかけのドアを手や荷物で押さえない |
| 走行中 | ドアにもたれたり、窓を見るために扉へ手をついたりしない位置を選ぶ |
| 駅に着く前 | スマホや荷物整理を切り上げ、子どもの手足と扉の距離を確認する |
| ドアが開くとき | 子どもの手が動く扉や戸袋へ伸びないよう、大人がそばで見守る |
| 乗り降り | 扉が十分開いてから、足元とホームとの隙間も見て移動する |
子どもには「危ない!」だけでなく、「ドアは動くから触らないよ」「ここでパパと手をつなごう」と、してほしい行動を短く伝えます。言い聞かせだけに頼らず、大人が位置と手の届く範囲を調整しましょう。
抱っこ・ベビーカー・きょうだい連れの注意
抱っこ中も、子どもの手は大人より先に扉へ届く
パパが進行方向を見ている間に、子どもが横へ手を伸ばすことがあります。抱っこの向きにかかわらず、ドアが開く前に手足の位置を確認し、扉の可動部分から距離をとってください。
ベビーカーをドア止めにしない
乗り遅れそうでも、ベビーカーを差し込んでドアを止めようとしてはいけません。乗降に不安があれば駅係員に相談し、余裕を持って移動します。車内ではハンドルを持ち、車内の案内に従って安全な位置を選びましょう。
大人が2人なら、担当を言葉にする
「自分は上の子と手をつなぐ」「そちらは赤ちゃんと荷物」と短く確認します。2人とも荷物や路線案内を見て、子どもの担当が曖昧にならないようにします。1人で複数の子を連れる日は、荷物を減らす、混雑時間をずらす、係員に助けを求める方法も考えましょう。
手や腕が挟まったら、すぐに乗務員・駅係員へ知らせる
大声で「子どもの手が挟まっています」と周囲に伝え、乗務員や駅係員へ直ちに知らせてください。車内の非常通報装置など、近くの緊急連絡設備を使い、場所と状態を伝えます。東京メトロも緊急時には非常通報装置で係員へ通報するよう案内しています。
無理に手を引っ張ったり、自分で扉を動かして抜こうとしたりせず、係員の指示に従います。車外や線路へ自己判断で降りてはいけません。強い出血や意識の異常など緊急性が高い場合は、119番が必要な状態であることも周囲へ伝え、通報を依頼してください。
抜けた後も、腫れ、痛み、指の動かしにくさ、色の変化などがあれば医療機関へ。外見だけで「平気」と判断しないようにしましょう。
パパが今日から決めたい一つの習慣
到着アナウンスが流れたら、行き先検索を一旦止めて子どもの手を見る。乗り換えを急ぐ日ほど、次の電車でもよいと考える。この小さな行動を、家族共通の習慣にしてみてください。
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情報確認:2026年9月20日。写真はAI生成イメージで、実際の事故現場や被害者ではありません。

